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特開金(特定求職者雇用開発助成金)とは?対象者や支給金額、申請の注意点を解説

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特開金(特定求職者雇用開発助成金)とは?対象者や支給金額、申請の注意点を解説

障害者雇用推進法の対象企業となったものの、採用コストや現場での育成にかかる負担に悩み、活用できる助成金を探している人事担当者の方は多いのではないでしょうか。

障害者雇用において最も代表的な助成金が「特開金(特定求職者雇用開発助成金)」です。支給額が大きい反面、ハローワーク等の紹介が必須であったり、定着しなければ途中で打ち切られたりと、事前に知っておくべき厳しい要件が複数存在します。

この記事では、特開金の具体的な対象者や受け取れる支給金額の早見表、申請時の注意点を解説します。助成金ありきで無理に採用するリスクを回避し、本質的な定着を実現するための解決策も提示するので、ぜひ参考にしてください。

💡この記事でわかること
・特開金はハローワークや指定の紹介会社経由での採用が絶対条件
・最大240万円が一定期間、半年ごとに分割支給される
・定着できなければ助成金は打ち切りとなる

特開金(特定求職者雇用開発助成金)の概要と対象コース

特開金は、企業側の経済的負担を軽減し、就職に困難を抱える方の雇用を促進するための制度です。まずは制度の目的と、障害者雇用で利用すべきコースを整理します。

就職困難者の継続雇用を支援する助成金制度

特開金(特定求職者雇用開発助成金)とは、高年齢者や障害のある方など、一般的な求職活動では就職が困難な方を雇い入れる事業主に対して、賃金の一部を国が助成する制度です。

単なる採用活動の支援ではなく、長期的な継続雇用を支援することを目的としており、要件を満たして雇い入れ、適切な雇用管理を行うことで企業に助成金が支給されます。

障害者雇用で活用される2つの主要コース

特開金には対象者に応じて複数のコースが存在しますが、障害者雇用の実務において主に利用されるのは以下の2つです。

コース名 概要・対象者
特定就職困難者コース 身体・知的・精神障害のある方を雇い入れる場合の最も一般的なコース
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース 手帳を持たない発達障害や難病を抱える方を雇い入れる場合に利用されるコース

なお、2024年度の制度見直しにより、これまで存在した生涯現役コースや被災者雇用開発コースなどは廃止され、特定就職困難者コース等に統合・整理されています。

特開金以外にも、職場の設備投資やトライアル雇用などで活用できる助成金は多岐にわたります。自社の課題に合わせて他の助成金も知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。

こちらの記事も読まれています「障害者雇用 助成金 一覧」に関する記事

【早見表】特開金で支給される助成金額と対象期間

特開金の受給要件を満たした場合、実際に自社はいくら受け取れるのか、人事担当者が把握しておくべき金額と期間のルールを解説します。

以下の表は、「特定就職困難者コース」において支給される1人あたりの最大助成金額と、対象となる期間を整理した早見表です。

年齢と障害の種別 労働時間 中小企業の最大支給額 中小企業の対象期間 大企業の最大支給額 大企業の対象期間
45歳以上の軽度・中度障害のある方
または重度の身体・知的・精神障害のある方
週30時間以上 240万円 3年(6期) 100万円 1年半(3期)
週20時間〜30時間未満 80万円 2年(4期) 30万円 1年半(3期)
45歳未満かつ
中度/軽度の身体・知的・精神障害のある方
週30時間以上 120万円 2年(4期) 50万円 1年(2期)
週20時間〜30時間未満 40万円 1年(2期) 20万円 1年(2期)

障害の重度や年齢、労働時間、企業規模によって金額が変動する

早見表の通り、特開金の支給額は一律ではなく、採用する対象者の年齢と会社の規模や労働時間によって大きく変わります。

  • 障害の重症度による違い
    中小企業が重度の身体・知的障害、または精神障害のある方を週30時間以上のフルタイムで採用した場合、最大240万円の助成が受けられます。
  • 採用時の「年齢」による特例
    障害の程度が軽度・中度であっても、採用時の年齢が「45歳以上」であれば、重度の方と同じ最大240万円の枠が適用されます。
  • 労働時間や企業規模による違い
    週20時間〜30時間未満の短時間労働での採用や、大企業による採用の場合は、支給額や対象期間が縮小されます。

特開金の支給は一括ではなく、半年ごとの分割支給

特開金は金額に関わらず、6ヶ月を1単位とした「1期」ごとに、対象期間に応じて分割して支払われます。

1期(半年間)の支給額 支給回数と期間
240万円の場合 40万円 3年間 6回にわけて支給

つまり、対象者が途中で離職することなく、長期間職場に定着し続けなければ満額を受給することはできません。

参考:厚生労働省|特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

特開金を受給するための事業主と対象者の必須要件

特開金は支給額が大きい分、国が定める厳しい要件を満たす必要があります。要件を知らずに採用を進め、「もらえると思っていたのに申請できなかった」という失敗を防ぐための条件を解説します。

ハローワークや指定の紹介事業者経由での採用が絶対条件

特開金の受給において、最も頻発する失敗例が「採用経路の未確認」です。助成金を受けるためには、以下の機関を通じた紹介による雇い入れであることが絶対条件となります。

  • 公共職業安定所であるハローワーク
  • 地方運輸局
  • 適法な届出・許可を持つ民間の転職エージェントなどの無料職業紹介事業者および有料職業紹介事業者

一般的な求人サイトからの直接応募や、社員の知人の紹介、自社ホームページからの直接採用では、対象者が要件を満たしていても特開金は一切受給できません。

親族や過去の従業員など対象労働者の除外要件

ハローワーク等からの紹介であっても、対象となる労働者と企業との関係性によっては助成の対象外となる除外要件が存在します。

除外するケース 具体的な条件
親族の雇い入れ 配偶者や子、兄弟など事業主の3親等以内の親族の雇い入れ
元従業員の雇い入れ 雇い入れの日の前日から過去3年間に、関連会社や出向元も含む当該企業で働いていたことがある
あるいは職場適応訓練を受けていた人を再度雇い入れる場合

有期雇用は原則NG。無期雇用など継続雇用が前提

特開金は安定した雇用の創出を目的としているため、助成金目当ての短期雇用を防ぐための契約条件が設定されています。

  • 【必須要件】
    対象者が65歳以上に達するまで、継続して雇用する見込みがあること
  • 【原則対象外】
    更新の見込みがない有期雇用契約

特開金の申請をするには、期間の定めのない無期雇用や、自動的に更新される前提の有期雇用で契約を結ぶ必要があります。

実務で迷いやすい特開金のよくある質問

制度の基本を押さえていても、実際の現場ではイレギュラーな事象が発生します。人事担当者が導入時に直面しやすい疑問に一問一答形式で回答します。

Q. 半年ごとの支給対象期中に本人が退職した場合はどうなりますか?

A. 退職の理由によって、助成金の扱いやその後のペナルティが大きく異なります。

退職の理由 助成金の扱いと今後の影響
自己都合退職 対象期間中に何か月働いていたかに応じて助成金が計算・支給されます。その後の期の支給は打ち切られる
会社都合の解雇 その期の助成金は不支給。ハローワーク経由の他の助成金の受給資格にも悪影響を及ぼす可能性があるので留意する

上記のように、会社都合の解雇は「トライアル雇用助成金」などハローワークが管轄する他の雇用関係助成金も一定期間(原則として解雇の翌日から1年間)受給できなくなるルールがあるため注意が必要です。

Q. すでに雇用しているパートタイマーを正社員にする場合も対象になりますか?

A. いいえ、すでに雇用している従業員の転換は特開金の対象外です。
特開金は、あくまで「対象者を新たに雇い入れる時点」でハローワーク等からの紹介を受けていることが要件です。すでに自社でパートや有期契約で働いている方を、無期雇用やフルタイムに切り替えたとしても、事後での申請はできません。

Q. お試し雇用のトライアル雇用助成金との併用は可能ですか?

A. 要件を満たせば制度の併用は可能ですが、同時期の助成金重複受給はできません。トライアル雇用期間中は、特開金ではなく「障害者トライアル奨励金」の対象となります。
試行期間を経て本採用である無期雇用へ移行した時点から、特開金の第2期以降の対象として切り替わる仕組みになっています。トライアル雇用のメリットや詳細な要件については、以下の記事も参考にしてください。

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特開金の申請手続きステップと必要書類

特開金を受給するには、厳格な期日管理と労働関係帳簿の適正な運用が求められます。採用から申請までのフローと必要な書類を解説します。

STEP1:指定機関からの紹介と雇い入れ

まずはハローワークや許可を受けた民間の職業紹介事業者に求人を出し、紹介を受けます。面接を経て採用が決まったら、雇用保険や社会保険の加入手続きなど、適切な労務管理のもとで雇い入れをスタートします。

STEP2:半年(支給対象期)の経過と支給申請

雇い入れ日から6ヶ月が経過すると、第1期の支給対象期が終了します。人事担当者は、ここから2ヶ月以内に管轄の労働局またはハローワークへ支給申請を行ってください。

この申請期間は法律で厳格に定められており、期日を1日でも過ぎると助成金は支給されません。半年ごとの申請タイミングを人事部門内で漏れなく管理するようにしましょう。

STEP3:支給申請に必要な書類の提出

支給申請の審査では、対象者が適切な労働条件で働き、給与が正しく支払われているかを証明する以下の書類の提出が求められます。

必要な書類 審査で証明する内容
労働条件通知書または雇用契約書 雇い入れ時の労働条件が記されたもの
出勤簿またはタイムカード 対象期間中の日々の出退勤記録がわかるもの
賃金台帳または給与明細書の写し 対象期間中の給与の支払い実績がわかるもの

これらの書類が労働基準法に則って適正に作成・保管されていないと、審査を通過できず助成金を受け取ることができません。

助成金に頼る前に考えたい、本質的な採用と定着支援

特開金は企業の経済的負担を大きく軽減してくれる制度ですが、助成金を受給すること自体を障害者雇用の目的にしてしまうと、実務において思わぬしっぺ返しを受けることになります。

人事だけの対応ではミスマッチ防止と定着管理に限界がある

特開金は最大240万円など金額が大きい反面、半年ごとの分割支給であるため、対象者が現場に定着しなければ途中で打ち切られてしまいます。

「助成金が出るから」という理由だけで自社の業務に合わない人材を無理に採用すると、配属された現場が育成やフォローに疲弊してしまいます。

結果として早期離職を招き、助成金が打ち切られるだけでなく、教育にかかった工数や申請手続きの手間だけがかかった、という失敗も少なくありません。

スキル重視のマッチングから定着までを伴走する「かべなし」

特開金の満額受給の鍵となる定着を実現するには、採用時のスキルの見極めと、入社後の第三者によるフォローが不可欠です。定着管理の工数不足に悩む企業様には、かべなしの伴走支援が有効な選択肢となります。

かべなしでは、以下の3ステップで貴社の負担を減らし、本質的なマッチングを実現します。

  • ステップ1・体制構築
    現場の業務をヒアリングし、本人の特性とミッチを起こさない業務の切り出しや環境整備を事前にご提案します
  • ステップ2・採用支援
    助成金ありきではなく、業務遂行に必要なスキルを重視した求職者をご紹介し、面接設定から同行まで配慮事項のすり合わせを代行します
  • ステップ3・定着支援
    入社後も専門スタッフが定期面談を実施し、本人と現場の間に入って定着課題の解決に継続して伴走します

助成金の要件を満たす採用ができるか不安である、現場の歩留まりを改善して確実に定着させたいとお悩みのご担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。本業で戦力として長く活躍してもらうための持続可能な雇用体制をご提案いたします。

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※掲載内容はすべて記事公開時点のものです。
かべなしメディア編集部
この記事の監修者
かべなしメディア編集部 株式会社エス・エム・エス

就労移行支援事業所の管理者経験者監修のもと、正しい法令知識と採用・定着などの実務に役立つ情報を発信中です。企業と障害のある方をつなぐ立ち位置で、双方がWin-Winとなる情報提供を心がけています。