かべなし 法人向け障害者雇用
支援サービス
障害のある方向け就職支援サービス
お急ぎの方はお電話をご利用ください
0120-407-204 通話無料 通話無料
平日9:00〜18:00
平日9:00〜18:00(年末年始・GWを除く)
  1. トップ
  2. お役立ちコラム
  3. 多様な雇用モデルの記事一覧
  4. 特例子会社とは?設立のメリット・デメリットと一般企業との違いを徹底解説

特例子会社とは?設立のメリット・デメリットと一般企業との違いを徹底解説

公開日: 更新日:
この記事をシェア Xでシェアする facebookでシェアする LINEでシェアする
特例子会社とは?設立のメリット・デメリットと一般企業との違いを徹底解説

大企業において障害者雇用を推進する中で、各部署での受け入れや業務創出に限界を感じ、「特例子会社を作れば課題が解決するのではないか」と検討を始めているプロジェクト責任者や人事担当者の方は多いのではないでしょうか。

特例子会社はグループ全体での雇用率達成に寄与する有効な手段ですが、設立コストの回収や継続的な業務の切り出しなど、維持するための実務ハードルが非常に高い制度でもあります。

この記事では、特例子会社を設立するメリットとデメリットを経営・人事視点で冷静に比較し、自社にとって最適な雇用形態を見極めるための判断基準と、外部リソースを活用した現実的な解決策を解説します。

この記事では、主に以下の3つのポイントについて詳しく解説します。

💡この記事でわかること
・特例子会社の最大のメリットは、グループ全体で法定雇用率を通算できること
・設立には高額な初期費用と、安定した業務の確保という継続的な課題が伴う
・既存組織の体制強化やサテライトオフィスなどの代替案も有効

特例子会社制度の概要と一般の障害者雇用枠との違い

特例子会社とは、企業が障害者の雇用を促進する目的で特別に配慮した子会社を設立し、一定の要件を満たすことで、その子会社で雇用している障害者を親会社(またはグループ全体)で雇用しているとみなすことができる制度です。

実雇用率をグループで通算できる仕組み

通常、障害者雇用は法人(企業)ごとに法定雇用率を達成する義務があります。しかし、特例子会社の認定を受けることで、特例子会社で雇用した障害のある従業員を親会社の雇用分として合算、いわゆる実雇用率の通算ができるようになります。

これにより、親会社の現場部署で無理に受け入れ体制を整えることなく、会社全体としてのコンプライアンス(法定雇用率の達成)を遵守しやすくなります。

厚生労働大臣の認定を受けるための要件

特例子会社として認定を受けるためには、単に子会社を作るだけでなく、厚生労働大臣が定める厳格な要件をクリアする必要があります。

  • 親会社が当該子会社の意思決定機関を支配していること
  • 子会社の障害者雇用割合が全従業員の20%以上であること
  • 雇用される障害者のうち、重度身体障害者や知的障害者、精神障害者の割合が30%以上であること
  • 障害者の雇用管理に関する専門知識を持つ役員や指導員が配置されていること
  • 障害者の就労にあたり、施設や設備面で適切な配慮がなされていること

参考:厚生労働省|特例子会社制度の概要

一般の障害者雇用枠との評価制度や環境の違い

親会社内の「一般の障害者雇用枠」で働く場合と、「特例子会社」で働く場合とでは、求められる役割や働く環境に明確な違いがあります。

比較項目 特例子会社 一般の障害者雇用枠(親会社内)
業務内容 定型業務や軽作業、親会社から切り出された事務処理が中心となる 所属部署のミッションに準じ、非定型業務や専門スキルが求められるケースも多い
評価・給与 独自の給与体系(最低賃金ベースが多い)と、プロセスを重視する評価制度 親会社の基準に準じた給与体系と、成果やスキルを重視する評価制度
職場環境 バリアフリー設備や休憩室が完備され、支援員が常駐するなど配慮が手厚い 既存のオフィス環境で働き、現場社員が配慮やマネジメントを担う
キャリア 業務幅が限定されやすいため、大幅なキャリアアップは難しい傾向がある スキル次第で昇格や昇給、重要なプロジェクトへの参画が見込める

企業が特例子会社を設立する5つのメリット

厳しい認定要件をクリアして特例子会社を設立することで、企業側には経営面および人事マネジメント面で以下のような大きな恩恵があります。

1. グループ全体で雇用率を通算できる

特例子会社の認定を受ける最大の理由は、親会社単体ではなくグループ全体で雇用率を通算できる点にあります。これにより、以下のようなメリットが得られます。

  • 親会社だけでなく関連会社を含めたグループ全体で実雇用率を合算できる
  • 現場での安全確保や業務の切り出しが難しい事業所の雇用不足分をカバーできる

2. 特性に合わせた独自の就業規則と評価制度を構築できる

親会社の既存のルールに縛られず、障害のある社員が働きやすい独自の制度を設計できるのも大きな利点です。具体的には次のような対応が可能になります。

  • 通院のための特別休暇制度や短時間勤務を導入しやすい
  • 成果だけでなく、業務へのプロセスを評価する独自の人事制度を柔軟に設計できる

3. 設備投資やサポート人材を集中させコスト効率を高められる

各拠点に分散して配慮を行うよりも、特例子会社にリソースを集約することで、経営的なコストメリットが得られます。主な効果は以下の通りです。

  • スロープや多目的トイレなどの物理的な環境整備を1箇所に集中させられる
  • 親会社の各拠点に専門の支援員を配置する必要がなくなり、投資対効果が高まる

4. 業務の集約と専門的なサポートにより定着率が向上する

専門スタッフが常駐する環境で働くことで、障害のある社員にとっても働きやすい職場となり、定着率の向上に直結します。現場では以下のような良いサイクルが生まれます。

  • 体調変化のサインを早期にキャッチしやすく、ピアサポート(仲間同士の支え合い)が生まれやすい
  • 現場の一般社員に配慮を任せきりにする状況を防ぎ、ミスマッチによる早期離職を減らせる

5. 蓄積した専門ノウハウをグループ全体に還元できる

特例子会社での運営を通じて得られた知見は、企業グループ全体におけるダイバーシティ推進の貴重な資産となります。このノウハウは次のような形で活用できます。

  • 特例子会社で培った業務の切り出し方やマネジメントのノウハウを資産化できる
  • 親会社で直接障害者を雇用する際にも、特例子会社の専門スタッフが現場をサポートできる

企業が直面する特例子会社の3つのデメリットと実務課題

一見するとメリットが多い特例子会社ですが、設立して維持していくためには、経営を圧迫しかねない重い実務課題が伴います。

1. 設立費用と継続的なランニングコストの負担が大きい

特例子会社を立ち上げ、維持していくためには、親会社による多額の資金援助が必要になるケースがほとんどです。具体的には以下のようなコスト負担が発生します。

  • 専用オフィスの賃料やバリアフリー化などの多額の初期費用がかかる
  • 専門知識を持つ指導員の採用費や人件費など、継続的なランニングコストが発生する
  • 「障害者作業施設設置等助成金」などの活用は可能だが、単体での黒字化は難しく親会社の補填が必要になるケースが多い

2. 安定して発注し続ける業務の確保と創出が難しい

最も大きな実務課題となるのが、特例子会社に任せる業務を社内から継続的に確保し続けることです。ここには次のような難しさがあります。

  • 設立当初に用意した業務が数年後も存在し続ける保証はない
  • 常に新しい業務を開拓し続ける社内営業の労力が人事担当者に重くのしかかる
担当者

💡 監修者エピソード:業務枯渇によるモチベーションの低下
ある大企業では、データ入力や名刺のデータ化といった定型業務を集約して特例子会社を立ち上げました。しかし数年後、親会社のDX推進やペーパーレス化によって紙の書類が激減し、特例子会社に発注する業務が枯渇してしまいました。結果として、仕事がない従業員が社内で待機する時間が増え、モチベーションの低下と離職を招くという本末転倒な事態に陥ってしまったのです。

3. 専門知識を持った指導員の確保が必要になる

要件を満たして安定した運営を行うためには、障害福祉の専門知識を持つ人材が不可欠ですが、その確保にも課題があります。主な懸念点は以下の通りです。

  • 障害者のマネジメントスキルを持つ指導員やサービス管理責任者の経験者などを配置しなければならない
  • 専門人材は採用競争率が高く、定着しない場合は運営そのものが立ち行かなくなるリスクがある

求職者の本音から読み解く採用難と早期離職のリスク

企業都合のメリットだけでなく、実際に働く障害のある求職者の視点を知ることは、人事担当者が陥りやすい採用リスクを回避するために不可欠です。

配慮に対する企業と求職者の認識のズレ

企業側は「働きやすい環境を提供している」と考えていても、求職者側は必ずしも同じように感じているとは限りません。両者の間には以下のような認識のズレが生じがちです。

  • 企業側の意図
    配慮が行き届いた環境で、定型的な事務作業や軽作業を無理なく安定してこなしてほしい
  • 求職者の本音
    配慮はありがたいが、給与水準が低く、業務の幅が限定されるためキャリアアップや成長実感が得にくい

単純作業の集約化による採用のミスマッチ

業務を効率化するために単純作業ばかりを集約すると、高いスキルを持つ人材の希望と乖離してしまうリスクがあります。ここでも企業と求職者で以下のようなすれ違いが起きます。

  • 企業側の意図
    親会社から切り出しやすい単純作業を特例子会社に集約して効率化を図りたい
  • 求職者の本音
    PCスキルや専門知識を活かして、親会社の本業に直接貢献する仕事がしたい

結果として、「配慮は必要だが本業に貢献したい」と考える優秀な人材の獲得を取りこぼし、長期的には歩留まりの低下や早期離職を招く原因となります。

こちらの記事も読まれています「障害者雇用 離職率 / 定着率」に関する記事

特例子会社の設立に向いている企業と代替案の選択肢

ここまで解説した実務ハードルを踏まえ、自社が特例子会社を設立すべきか、あるいは別の手法を検討すべきかの判断基準を整理します。

設立に向いているのは定型業務が豊富な大企業

設立に伴うコストや実務課題をクリアし、特例子会社を成功させやすい企業にはいくつかの共通点があります。具体的には、以下のような特徴を持つ大企業が向いていると言えます。

  • 従業員が数千人規模であり、データ入力や清掃といった定型業務が社内に点在している
  • 資本力があり、数年先まで安定した業務量を担保できる

参考:厚生労働省|「特例子会社制度の概要」および関連する現状報告
参考:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)|「特例子会社の実態に関する調査研究」

設立が難しい企業が検討すべきサテライトオフィスという選択肢

コストや業務創出の観点で特例子会社の設立が難しい場合は、専門家が常駐するシェアオフィスの一部を借りて雇用するサテライトオフィス型の雇用も有効な代替案となります。法人を新設する費用を抑えつつ、専門スタッフによる定着支援を受けられます。特例子会社との詳細な違いについては以下の記事も参考にしてください。

こちらの記事も読まれています「特例子会社 サテライトオフィス 違い」に関する記事

業務創出が難しい場合の農園型雇用という選択肢

自社内で切り出せる業務がない場合は、企業が農園の区画を借りて障害のある方を雇用する農園型雇用というサービス(代行ビジネス)を活用する手法もあります。こうしたサービスの活用には、自社のスタンスによって向き不向きがあります。

  • 向いている企業
    社内のセキュリティが厳しく業務の切り出しが不可能で、環境整備が極めて困難な企業
  • 向いていない企業
    障害のある社員にも自社の本業に直接貢献してほしい、同じオフィスで一緒に働きたいと考える企業

こちらの記事も読まれています「障害者雇用のサテライトオフィスとは? / 障害者雇用の農園型サービスとは?メリットと課題」に関する記事

本質的な雇用を実現するための外部リソース活用法

特例子会社の設立や農園型雇用など、障害のある従業員を物理的に別の場所へ切り離す手法には、それぞれ高い実務ハードルや独自の課題が存在します。

大多数の企業にとっては既存組織での体制構築が現実的

潤沢なリソースを持つ一部の大企業を除き、大多数の企業にとっては、特例子会社という箱を新たに作るよりも、外部の専門的な伴走を得ながら既存の組織内で受け入れ体制を強化するアプローチが最も現実的かつ本質的です。

隔離せず本業への貢献を両立させる伴走支援の活用

障害のある社員を別会社や農園に隔離するのではなく、本人の特性とスキルを見極めて適切な部署に配置できれば、配慮を提供しながら本業の利益に直接貢献してもらうことが可能です。現場のマネージャーに配慮を丸投げするのではなく、プロが間に入って調整する仕組みが必要不可欠です。

採用から定着までをワンストップで支援する「かべなし」

既存組織での受け入れ体制構築に限界を感じている企業様には、採用から定着までをワンストップでサポートする「かべなし」の伴走支援が有効な解決策となります。かべなしでは、以下の3つのステップで貴社の障害者雇用を根本からサポートします。

  • ステップ1:体制構築
    各部署の業務をヒアリングし、本人のスキルを活かしつつ現場の負担にならない業務の切り出しと環境整備をご提案します
  • ステップ2:採用支援
    単純作業だけでなく、ITスキルなどの専門性を重視した求職者をご紹介し、面接に同行して配慮水準のすり合わせを代行します
  • ステップ3:定着支援
    入社後も専門スタッフが定期面談を実施し、現場のリーダーが抱える定着課題の解決に継続して伴走します

「特例子会社を検討したがコストが合わない」「既存の部署で活躍できる人材を採用したい」とお悩みのご担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。貴社の本業に貢献する、持続可能な雇用体制の構築をご提案いたします。

障害者雇用のプロに無料相談する

この記事をシェア Xでシェアする facebookでシェアする LINEでシェアする
※掲載内容はすべて記事公開時点のものです。
かべなしメディア編集部
この記事の監修者
かべなしメディア編集部 株式会社エス・エム・エス

就労移行支援事業所の管理者経験者監修のもと、正しい法令知識と採用・定着などの実務に役立つ情報を発信中です。企業と障害のある方をつなぐ立ち位置で、双方がWin-Winとなる情報提供を心がけています。