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「とにかく動く」。ノウハウゼロから挑む、キンライサーの障がい者雇用と“失敗を恐れない”体制構築

株式会社キンライサー 様

業種:小売業 従業員数:300~599名
「とにかく動く」。ノウハウゼロから挑む、キンライサーの障がい者雇用と“失敗を恐れない”体制構築

ガス給湯器やエコキュートの交換工事で国内トップクラスのシェアを誇り、TVCMでもお馴染みの株式会社キンライサー。1999年の設立以来、20年以上連続で増収増益を達成し、現在では従業員数が約300名を超える規模へと急成長を遂げています。

同社はここ数年の急激な組織拡大に伴い、多くの企業が直面する「法定雇用率の充足」という、避けられない課題に直面しました。これまで障がい者雇用の知見や経験が十分でなかった人事部は、どのようにしてゼロから採用をスタートし、社内の受け入れ体制を構築していったのでしょうか。

失敗を恐れず、トライアンドエラーを繰り返しながら前に進む同社ならではのカルチャーと、採用を軌道に乗せるまでの試行錯誤の過程について、人事部の皆様にお話を伺いました。

T様 : 管理本部 人事部 人事課 課長
S様 : 管理本部 人事部 人事課 リーダー
M様 : 管理本部 人事部 人事課

急成長の裏で直面した「雇用率」の課題と、ゼロからの体制構築

かべなし: 本日はよろしくお願いいたします。御社は現在、障がい者雇用に大変積極的に取り組まれていますが、本格的に採用を始められたきっかけから教えてください。

キンライサー様:きっかけは会社の規模が急激に大きくなったことです。この3年ほどで社員数が倍になり、300名規模が見えてきたあたりから、社員数の増加に伴う法定雇用率の課題に本格的に向き合う必要が出てきました。

会社が急成長するフェーズにおいて、採用活動のスタートはどのように切られたのでしょうか。

キンライサー様: 当時は労務課が中心となって状況を管理していましたが、今後のさらなる企業成長を見据えたとき、より計画的な採用活動が必要になります。そこで2年前、採用を担う人事課にミッションが移り、本格的な活動をスタートさせることになりました。

キンライサー様: 実は当時、すでに障がい者雇用の社員は2名在籍していました。ただ、お一人はパラアスリートの方で競技がメインであり、もうお一人はリファラル(紹介)で入社された方でした。

キンライサー様: そのため、人事として求人媒体やエージェントを活用し、「ゼロから要件定義をして採用し、定着を目指す」という障がい者雇用スキームを一から構築した経験は、社内にまだなかったんです。

ハローワークからの応募殺到と、マッチングの難しさ

かべなし: スキームがない状態からのスタートは、非常に高いハードルだったかと思います。最初はどのようなアクションを起こされたのでしょうか。

キンライサー様: まずはハローワークに求人を出すところから始めました。求人を出してから半年ほどで採用しなければならないという、デッドラインが迫る中でのスタートでした。

当初は多くの方からご応募をいただき安堵したのですが、明確な要件定義ができていなかったこともあり、いざ蓋を開けてみると当社の希望とマッチしない方からの応募が殺到している状態だったんです。

かべなし: 手探りで求人を出した結果、現場のニーズとズレが生じてしまったのですね。

キンライサー様: シンプルに当社の求める人物像とのミスマッチが多く、面接の進め方も手探りでした。期限が迫る中で、現場も非常に焦りを感じていました。そこで、障がい者雇用の専門的なノウハウを理解したいと考え、外部のエージェントに頼ることにしたんです。

その後、採用はうまく進んだのでしょうか。

キンライサー様: 1名の採用は進みましたが、その後の紹介という点では思うように成果の出ない部分も多くありました。採用自体はスピーディーにできたのですが、早期退職に繋がってしまったケースがありました。

当社は成長企業のためスピード感が速く、日々環境が変化します。そうした自社のカルチャーに対する適性を、しっかりと見極めきれていなかった点に反省がありました。

かべなし: 環境との親和性の見極めや、受け入れ体制に課題があったのですね。

キンライサー様: 採用を急ぐあまり、経験の浅い現場にサポートを任せてしまったことで、結果的に現場への負担も大きくなってしまいました。

自社のカルチャーに寄り添い「自社雇用」にこだわる理由

かべなし: 当時は大変ご苦労されたかと思います。一方で、直近では「かべなし」より複数名を採用いただいていますよね。この成果にはどのような変化があったのでしょうか。

キンライサー様: エージェントとのコミュニケーションを大きく変えました。求める等級や明確な条件、当社の環境に合う人物像など、現場のリアルな要望を率存に伝えるようにしたんです。その結果、ご紹介いただける人材の質が変わりました。

かべなし: 自社のカルチャーや求める要件を、我々エージェント側にしっかりと共有いただいたのですね。

キンライサー様: また「かべなし」さんからは、他社の支援実績を踏まえた面接のノウハウや事前準備について、専門的な知見をたくさんシェアしていただきました。それを参考に、自社の選考フローをブラッシュアップできたことも大きかったです。

かべなし: 採用の間口を広げるという意味では、外部の農園サービス等を利用した「農園型雇用」を導入されるケースもありますよね。御社では検討されましたか?

キンライサー様: はい、検討し実際に見学にも伺いました。非常に素晴らしい仕組みだと感じた一方で、私たちが目指す障がい者雇用の形とは少し異なると感じましたね。

かべなし: 御社が目指す形とは、どのようなものだったのでしょうか。

キンライサー様: 私たちの中には、同じオフィスの空間で一緒に働き、キンライサーの本業に直接貢献してもらう形を作りたいという思いがありました。外部の仕組みを活用するのではなく、共に働くことこそが、私たちが目指す本来の障がい者雇用だと再確認したのです。

現場の不安と向き合い、プロジェクトチームで業務を切り出す

かべなし: 自社での雇用にこだわるからこそ、社内の受け入れ体制の構築が不可欠ですね。現在はどのような体制で進められているのでしょうか。

キンライサー様: 現在は人事、総務、財務経理といったバックオフィス部門を巻き込んで、障がい者雇用のためのプロジェクトチーム(PJ)を立ち上げています。

各部門から業務を切り出し、シェアードサービスのような形で、チームとして業務を請け負う仕組みづくりを進めているところです。

現場の部署からの反応はいかがですか?

キンライサー様: 正直なところ、現場の部署にご協力をお願いすると、「受け入れは可能だろうか」「十分なサポートができるだろうか」といった戸惑いやご心配の声をいただくこともあります。

プロジェクト内では、ご本人にとってより手厚い支援につながるのではないかという観点から、外部の専門的なサポートを活用するのもよいのではないかという意見も出ています。

今後はそれらも視野に入れて検討を進めていくとともに、社内理解の浸透にも引き続き取り組んでいく必要がありますね。

かべなし: 現場の方々の不安を払拭し、理解を促進していくことは、多くの企業様がぶつかる大きな壁ですね。しかし、失敗をそのままにせず、プロジェクトチームの発足という形で着実に体制構築に向かっている点に、御社の強みを感じます。

定着に向けて。失敗を恐れず、自社らしい障がい者雇用を模索し続ける

最後に、今後の展望やこれから注力していきたい課題について教えてください。

キンライサー様: まずは何よりも「定着率を上げる」ことです。採用して終わりではなく、入社された方が長く安心して働き続けられる環境を作ることが第一歩です。そのためにも、現場の社員に対する研修や、理解を深めるための活動を地道に続けていかなければならないと感じています。

また現場の受け入れ体制を整えることと並行して、障がいのある方ご自身がやりがいを感じて取り組める業務を、社内でいかに創出していくか。これが今後の最大のミッションだと捉えています。

最終的には会社全体で障がい者雇用を「自分ごと」として捉えられるような風土を醸成していきたいですね。まだまだ課題は山積みですが、プロジェクトチームを中心に少しずつ前進していきたいと思っています。

かべなし: トライアンドエラーを繰り返し、自社らしい障がい者雇用のあり方を模索し続ける御社の姿勢は、多くの悩める人事担当者にとって大きなヒントになるはずです。本日は貴重なお話をありがとうございました。

※掲載内容はすべて記事公開時点のものです。
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株式会社キンライサー 様 業種:小売業 従業員数:300~599名
ホームページ: https://www.kinliser.co.jp/