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「10年後には今の仕事がなくなる」。メガバンクが挑む職域開拓と、インクルーシブな組織作りとは

株式会社みずほフィナンシャルグループ 様

業種:銀行業 従業員数:1,000人以上
「10年後には今の仕事がなくなる」。メガバンクが挑む職域開拓と、インクルーシブな組織作りとは

――みずほフィナンシャルグループが「かべなし」と推進する、インクルーシブな組織の拡張

1978年から障がい者雇用を開始し、長きにわたり多様な人材の活躍を推進してきた、みずほフィナンシャルグループ。

全国の支店で40年以上勤め上げる身体障がいのある社員や、特例子会社での雇用など、確固たる土台を築いてきた同社ですが、昨今のデジタル化・ペーパーレス化の波は、銀行の支店事務と特例子会社の双方に、定型事務の減少という大きな変化をもたらしました。

既存の業務が縮小していく中、いかにして従来の支店への配属だけでなく、本部部署への職域を広げたのか。 人材戦略推進部の安本様と薄田様に、メガバンクのインクルーシブな組織づくりへの挑戦と、「かべなし」との二人三脚についてお話を伺いました。

■ お話を伺った方

安本様: 人材戦略推進部 人事チーム
薄田様: 人材戦略推進部 人事チーム

40年超の歴史。銀行での直接雇用と特例子会社の両輪

かべなし:本日はよろしくお願いいたします。まずは、御社の障がい者雇用の歩みについて教えていただけますか。

安本様:当グループの障がい者雇用のスタートは、1970年代に遡ります。身体障がいのある方を全国の各支店で直接雇用する形で対応を始めました。

かべなし:非常に早い段階から、多くの支店の現場への配属を進められていたのですね。

安本様:はい。当時入社し、支店の現場で40年近く勤め上げてきた社員も多数おります。こうした現場での直接雇用の土台がある一方で、1998年には特例子会社を設立し、知的障がいのある方などの採用も進めてまいりました。特例子会社と銀行での直接雇用と、両輪でやっていくのが私たちの基本的な考え方です。

支店にも、特例子会社にも押し寄せるペーパーレス化の影響

かべなし:その「両輪」で進められる中、近年直面された課題についてお聞かせください。

安本様:最大の壁は「ペーパーレス化」です。これまで銀行の支店事務や、特例子会社で担ってきた社内便の仕分け、紙の帳票の入力業務といった定型事務が、デジタル化で激減しています。

かべなし:銀行全体の事務のあり方が変わってきているのですね。

安本様:その通りです。「どう考えても、これらの業務は10年後にはほぼなくなる」という危機感を抱いています。これまでの切り出し可能な定型業務に頼るだけでは、今後の雇用は維持できないというフェーズに来ていました。

かべなし:そこで、従来の定型業務に加え、本部の各部署などへ職域を広げようとされたのですね。スムーズに進んだのでしょうか?

安本様:そこが最も難しい部分でした。いざ本部の各部署への配属を打診しても、これまで障がいのある方と一緒に働いた経験がない部署からは、「どんな配慮をすればいいのか」「定型的な事務以外で、どういう業務なら任せられるのか」などの不安の声が上がりましたね。

薄田様:そのような不安を解消する手段として、我々人事側から「こういう配慮が必要な方ですよ」という情報共有や、具体的な合理的配慮の方法・障がい知識に関する事前研修や説明会、配属後も定期的な面談など、現場だけが抱え込まないようにサポートする体制を整備しています。

が、やはり障がいのある方と一緒に働いた経験がないと、具体的なイメージがつきづらいので配属の壁は高いですね。

「この才能を活かしたい」。一人の候補者から始まった本部採用

かべなし:そうした状況下で、支店だけでなく本部へ職域を広げられたきっかけは何だったのでしょうか。

安本様:実は、かべなしさん経由で「この方を自社で採用したい」と強く思える出会いがあったことがきっかけです。書類選考時点でも魅力的な方でしたが、実際にお会いすると、さらにポテンシャルを感じました。

かべなし:その方との出会いが、組織を動かすきっかけになったのですね。

安本様:はい。その方の強みやご経歴を伺う中で、既存の業務の枠にとどまらず、もっと本人の可能性にぴったりフィットするポジションがあるのではないかと考えたのです。

そこで、どこなら最も実力が発揮できるかを模索し、本部で企画を担当する部署の何人かの次長に直接打診をしました。その中の一人の次長が「金融機関は未経験でも、一緒に働きたい」と言ってくれたんです。

かべなし:安本様が、その方の才能に合わせた場所を見出したと。結果はいかがでしたか?

安本様:実際にその部署で業務を担ってもらったところ、本部のコアな企画業務を立派にサポートし、戦力として大いに活躍してくれています。この成功体験は、私たちがまさに求めていたロールモデルです。

今後この事例を社内に広く発信していくことで、「本部の企画部署でも活躍できる」という理解を広げたいと思います。他の本部部署でも、障害者雇用に積極的に取り組む意識が醸成されつつある、という手応えを感じています。

薄田様:法定雇用率の引き上げも見据え、数十名〜百名規模の採用を進めるには、従来の定型業務だけでは難しいでしょう。それぞれのスキルや適性に合わせた本部業務へのアサインや、短時間勤務を取り入れた柔軟な働き方の推進が不可欠です。

この成功事例をベースに、さらに幅広いフィールドで障がいのある方も戦力として活躍できる環境を作っていきたいと考えています。

広く集めるだけでは行き詰まる。「みずほ」にマッチする人材を選考する「壁」

かべなし: 新たな職域を開拓しながら、採用のパイを広げていくにあたり、自社での採用活動においてどのような課題がありましたか。

安本様: 採用を加速させるためには、とにかく母集団を広げることが急務でした。しかし、一般的な求人媒体などに広く募集をかけて待っているだけでは、応募自体は集まるものの、「自社の人材要件やカルチャーに合う方か」をイチから見極めるに膨大な手間がかかってしまいます。

薄田様: リソースが限られている中で、大量の書類選考や面接対応に追われると、どうしても疲弊してしまいます。だからこそ、単に大量の候補者を集めるのではなく、私たちのカルチャーや現場の細かいニーズを事前に深く理解し、「この方ならみずほで活躍できる」と精度の高いマッチングをしてくれるプロフェッショナルなパートナーが必要不可欠になりました。

決して手を止めない。「かべなし」の諦めない伴走姿勢

かべなし: 選考に係る課題から、私たち「かべなし」を含めたエージェントの活用を強化されたのですね。数ある伴走者の中で、私たちを評価いただいている点はどこにありますか。

薄田様: 採用活動において、自社のカルチャーや求める要件にピタリと合う人材を見つけるための「目線合わせ」は、一朝一夕にはいきません。選考を進める中で、どうしても「当社の要件とは少し違います」とお見送りせざるを得ないケースも発生します。

かべなし: そうした選考の過程で、私たち「かべなし」の対応はいかがでしたか。

薄田様: かべなしさんが素晴らしいのは、一度見送りになったとしても、見送り事由をしっかりと把握し、決して諦めずに「では、こういう方ならどうですか?」と、すぐに次の提案を持ってきてくださる点です。私たちのフィードバックを真摯に受け止め、絶え間なく提案を継続してくださるそのレスポンスの速さと熱量には、非常に助けられています。

安本様: その「諦めない姿勢」があったからこそ、今回のような素晴らしいご縁にも繋がったのだと感じています。企業の内情に寄り添い、共に正解を探し続けてくれる力強いパートナーとして、非常に信頼しています。

「仲間」として迎えたい。みずほフィナンシャルグループの新たな挑戦

みずほフィナンシャルグループの障害者雇用を担当されているお二人

かべなし:最後に、御社の今後の採用目標と展望についてお聞かせください。

安本様:今後さらに法定雇用率が引き上げられる中で、グループ全体としては100名規模の新たな採用を見据えています。これは「ウルトラC」が求められる非常に高いハードルです。

かべなし:その目標に向けて、どのような環境づくりを目指されますか。

安本様:専門のケア体制が整ったサテライトオフィス等を活用する選択肢もありますし、そのメリットも理解しています。ただ、私たちの本音としては、やはり「まずは当社内でなんとかしたい」という想いが強いのです。

薄田様:物理的なロケーションや業務内容が離れすぎてしまうと、どうしても「みずほの仲間」としての意識が芽生えにくくなってしまいます。ケア体制など乗り越えるべき壁はありますが、障がいのある方にも同じ職場で、ともに戦力として活躍していただきたいと考えています。

安本様:だからこそ、今後対象となる障がいの種別を広げていく上でも、安易に外部へ切り出さず、ともに働く形を追求していきます。私たちのカルチャーにフィットする人材を粘り強く探し出してくれるかべなしさんには、引き続き期待しています。

かべなし:御社のブレない想いに応えられるよう、私たちも精一杯伴走させていただきます。本日はありがとうございました。

※掲載内容はすべて記事公開時点のものです。
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