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障害者雇用の農園型とは?仕組みやメリット・デメリット、向いている企業を解説

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障害者雇用の農園型とは?仕組みやメリット・デメリット、向いている企業を解説

大企業や中堅企業で障害者雇用の拡大を進める中で、自社での採用や業務の切り出しに限界を感じ、農園型サービスの導入を検討し始めている人事担当者の方は多いのではないでしょうか。

農園型サービスは、環境整備が不要で法定雇用率を達成しやすいという明確なメリットがある一方で、自社の本業との関連性が薄いという構造上の特徴を持っています。そのため、企業のスタンスによって向き不向きがはっきりと分かれる選択肢でもあります。

この記事では、農園型サービスの仕組みやメリット・デメリットを客観的に比較し、導入の判断基準を解説します。さらに、外部に切り離すのではなく、自社の既存組織で活躍してもらうための体制構築の手法も紹介します。

この記事では、主に以下の3つのポイントについて詳しく解説します。

💡この記事でわかること
・農園型は企業が農園をレンタルし、障害者を直接雇用するビジネスモデル
・本業との関連性が薄くインクルージョンが進みづらいデメリットも
・既存組織で伴走支援を得て既存組織での受け入れを強化する方法もある

障害者雇用における農園型サービスの仕組み

障害者雇用における農園型サービスは、いわゆる代行ビジネスとも呼ばれる独自のビジネスモデルです。まずはその基本的な仕組みと実態を客観的に整理します。

企業が農園をレンタルし障害者を直接雇用するモデル

農園型サービスは、人材派遣などとは異なり、企業が自社の従業員として障害のある方を直接雇用する形態をとります。基本的な枠組みは以下の通りです。

  • サービス提供会社が運営する農園の区画を、企業が自社の作業場としてレンタルする
  • 企業はその農園で働く障害のある方を直接雇用し、給与を支払う
  • 日常的な農作業の指導や体調管理などのサポートは、サービス提供会社のスタッフが行う

農園での主な業務内容と設備環境

農園で働く従業員は、主に安全で負担の少ない農作業に従事します。働く環境も障害特性に配慮して整備されています。

  • 主な業務は、ビニールハウス内での水耕栽培など、マニュアル化された安全な軽作業
  • 農園内にはバリアフリー化されたトイレや休憩室が完備
  • 車椅子利用者や体力に不安がある方でも働きやすい環境

栽培された収穫物の使い道

農園で栽培・収穫された野菜などは、市場で販売して利益を得ることを主目的とはしていません。実務上は以下のような使い道が一般的です。

  • 自社の社員食堂での食材としての活用や、従業員への無料配布
  • 福利厚生の一環としての活用や、子ども食堂などの地域施設への寄付

このように、収穫物は販売目的ではなく、あくまで企業内での消費やCSR活動の一環として扱われます。

企業が農園型サービスを導入する3つのメリット

農園型サービスが多くの企業で導入され、機能しているのには明確な理由があります。ここでは人事や経営の視点から見た3つの導入メリットを解説します。

1. 自社内に切り出せる業務がなくても雇用を創出できる

障害者雇用を進める上で最大の壁となるのが、任せる業務の確保です。農園型を利用すれば、この課題を根本から解決できます。

  • 社内のペーパーレス化などで定型業務が枯渇していても、農作業という業務を創出できる
  • 各部署に業務の切り出しを依頼する社内調整の工数が不要になる

2. バリアフリー設備などの初期投資や環境整備の手間が省ける

自社のオフィスに障害のある方を受け入れる場合、物理的な環境整備が必要になるケースがあります。農園型ではこうした負担を大幅に削減できます。

  • スロープや多目的トイレの設置など、自社オフィスでの高額な設備投資が不要になる
  • 専門スタッフが常駐する安全な環境がすでに存在するため、受け入れ準備の手間が不要

3. 採用から定着までサポートがあるため雇用率を早期に達成しやすい

法定雇用率の達成期限が迫っている企業にとって、スピード感を持って採用と定着を進められる点は大きな魅力です。

  • サービス提供会社が採用活動から入社後の定着サポートまでをパッケージで代行
  • 現場でのマネジメントや体調管理を専門スタッフに任せられる
  • 人事担当者の実務負担を抑えながら確実な雇用率達成が見込める

導入前に理解しておくべきデメリットと留意点

農園型サービスは雇用率達成に有効な手段ですが、導入にあたっては人事担当者が事前に知っておくべき客観的なリスクや留意点が存在します。

農園の利用料など継続的なランニングコストが発生する

農園型サービスを利用する場合、従業員の給与とは別に、サービス提供会社に対する支払いが毎月発生します。

  • 農園の区画レンタル料や、専門スタッフへのサポート委託費用など継続的なコストがかかる
  • 収穫物を販売して利益を上げるモデルではないため、農園部門単体での黒字化は難しい
  • 雇用率維持のためのコストとして計上し続ける必要がある

本業との関連性が薄くインクルージョンが進みづらい

働く場所が物理的に離れており、業務内容も自社の事業とは全く異なるため、組織としての一体感を醸成することが構造上難しくなります。

  • 障害のある社員と日常的に関わる機会がなく、社内での共生やインクルージョンの促進に繋がりにくい
  • 本業のコア業務に関わる機会がないため、スキルアップや成長実感が得られにくく、キャリア形成を望む人材の獲得には向かない

【留意点】厚労省における雇用の質に関する議論の動向

近年、農園型サービスに代表される代行ビジネスについて、行政の場でもさまざまな議論が行われています。企業としてはESGやコンプライアンスの観点で動向を注視する必要があります。

  • 労働政策審議会などの場において、障害者が働く場としての雇用の質や、自社の本業との関連性の薄さについて課題が提起されている
  • 直ちに違法とされるものではないものの、単なる雇用率の数合わせになっていないかなど、企業の社会的責任のあり方が問われる議論が存在する

参考:厚生労働省|「労働政策審議会障害者雇用分科会」関係資料

農園型雇用に向いている企業とその他の選択肢を検討すべき企業

ここまで解説したメリットと留意点を踏まえ、自社のスタンスに合わせて客観的に判断するための基準と、別手法の選択肢を提示します。

農園型に向いている企業の特徴

自社での環境整備や業務創出がどうしても困難な企業にとって、農園型サービスは有効な選択肢となり得ます。

  • 危険を伴う工場や作業現場しかなく、安全面の確保が極めて困難である
  • 完全フルリモートの勤務形態であり、そもそも物理的なオフィスが存在しない
  • 社内のセキュリティ規定が厳しく、外部から切り出せる定型業務が一切存在しない

その他の選択肢を検討すべき企業の特徴

一方で、本質的なダイバーシティ経営を目指す企業や、障害のある社員にも自社の成長に寄与してほしいと考える企業には、農園型以外の選択肢が適しています。

  • 障害のある社員にも自社の本業に直接貢献してほしいと考えている
  • 本社や既存の事業所で、健常者の社員と一緒に働く環境を作りたい
  • PCスキルなどを持つ優秀な人材を採用し、戦力として育成したい

特例子会社やサテライトオフィスなど多様な雇用形態との違い

農園型以外にも、働く場所や組織のあり方を工夫する多様な雇用形態が存在します。例えば、雇用率を通算できる別法人を立ち上げる特例子会社や、外部のワークスペースを利用するサテライトオフィスなどです。

これらの手法の特徴や、それぞれのメリット・デメリットの違いについては、以下の記事も参考にしてください。

こちらの記事も読まれています「特例子会社 サテライトオフィス 違い」に関する記事

既存の組織で障害者雇用を成功させるための外部活用

農園型のように業務や働く場所を外部に切り離す手法は、採用数の確保には有効です。しかし、会社と従業員が共に成長していくためには、既存の組織内で受け入れ体制を構築することが最も本質的です。

外部に切り離すのではなく既存組織で戦力として受け入れる重要性

障害のある社員を外部の農園に切り離すのではなく、本人の特性とスキルを見極めて適切な部署に配置できれば、配慮を提供しながら本業の利益に直接貢献してもらうことが可能です。

一緒に働くことで社内の多様性に対する理解が深まり、真の意味でのインクルージョンが実現します。

自社にノウハウがない場合はプロの伴走支援を頼る

もし、受け入れ体制を作るノウハウがないという理由で外部への切り離しを検討しているのであれば、一度立ち止まる必要があります。

現場のマネージャーに配慮を丸投げするのではなく、専門的な知見を持つ外部のエージェントに伴走してもらうことで、既存のオフィスでも十分に受け入れ体制を構築できます。

スキルを活かした配置と定着を叶える伴走支援

既存組織での受け入れに不安を抱える企業様には、社内での定着を可能にする「かべなし」の伴走支援が有効です。農園などに別の業務を無理に作らなくても、現場の負担を最小限に抑えながら以下のサポートを提供します。

採用から定着までをカバーするワンストップサポート

かべなしは、単なる人材紹介にとどまらず、社内体制の構築から入社後のフォローまで、以下の3ステップでプロが間に入って解決します。

  • ステップ1・体制構築
    各部署の業務をヒアリングし、本人のスキルを活かしつつ現場の負担にならない業務の切り出しと環境整備をご提案します
  • ステップ2・採用支援
    単純作業だけでなく、専門性を重視した求職者をご紹介し、面接設定や面接同行を通じて配慮水準のすり合わせを代行します
  • ステップ3・定着支援
    入社後も専門スタッフが定期面談を実施し、現場のリーダーが抱えるマネジメントや定着課題の解決に継続して伴走します

自社内で業務が作れない、サポートできる体制がないとお悩みのご担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。農園など外部に切り離すことなく、本業で戦力として活躍してもらうための持続可能な雇用体制をご提案いたします。

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※掲載内容はすべて記事公開時点のものです。
かべなしメディア編集部
この記事の監修者
かべなしメディア編集部 株式会社エス・エム・エス

就労移行支援事業所の管理者経験者監修のもと、正しい法令知識と採用・定着などの実務に役立つ情報を発信中です。企業と障害のある方をつなぐ立ち位置で、双方がWin-Winとなる情報提供を心がけています。