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障害者雇用とは?一般雇用との違いと企業が取り組む3つのメリット

公開日: 更新日:
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障害者雇用とは?一般雇用との違いと企業が取り組む3つのメリット

会社から障害者雇用の対応を指示されたが、何から手をつければいいのかわからない」と、不安を抱える採用・労務のご担当者様は多いのではないでしょうか。

本記事では、これから障害者雇用を始める人事担当者様向けに、制度の全体像や一般雇用との違い、そして失敗しないための実務の第一歩をわかりやすく解説します。

💡この記事でわかること
・障害者雇用の定義と、雇用義務が生じる企業の基準
・一般雇用との明確な違いと「合理的配慮」の考え方
・義務違反によるリスクと、取り組むことで得られる3つのメリット
・現場のミスマッチを防ぎ、実務負担を最小限に抑える進め方

障害者雇用とは?制度の定義と目的

【障害者雇用とは】 障害のある方が能力や適性を活かし、自立して社会参加できるよう企業が配慮を行って雇用する枠組みのことです。
💡Point
・障害者雇用は「共生社会」の実現を目指す法律に基づく制度である
・2026年7月には「従業員37.5人以上」の企業に雇用義務が発生する
・算定対象となるのは、原則として各種「障害者手帳」を所持している方

障害者雇用の定義と「共生社会」の実現という理念

障害者雇用とは、障害者雇用促進法(障害者の雇用の促進等に関する法律)に基づき、障害のある方が自身の能力を活かして自立し、継続的に働けるように企業が環境を整えて雇用する枠組みです。

この制度の根底には、障害の有無に関わらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う「共生社会(ノーマライゼーション)」の実現という理念があります。企業は単に「法律だから雇う」のではなく、社会を構成する一員として、多様な人材が活躍できる場を提供する社会的責任(CSR)を担っています。

※図解指示:障害者雇用を取り巻く全体像 (図解イメージ:オレンジ色の大きな角丸四角形の中に、3つの要素を配置。「企業(環境整備・業務創出)」「障害のある方(能力の発揮・自立)」「社会(共生社会の実現)」が矢印で循環している、フラットでシンプルな関係図)

+------------------------------+
|                 【障害者雇用の目指す姿】                 |
|                                                          |
|   +--------+          +--------+     |
|   |    企業側    | ↗      ↘ |  障害のある方  |     |
|   | 環境整備と   |          | 能力の発揮と   |     |
|   | 業務の切り出し| ↖      ↙ | 社会的自立     |     |
|   +--------+          +--------+     |
|           ↑                          ↑                |
|           +--------------+                |
|           |        共生社会の実現      |                |
|           +--------------+                |
+------------------------------+

2026年に2.7%へ引き上げられる法定雇用率と企業基準

民間企業には、全従業員のうち一定割合以上の障害者を雇用する義務が課せられており、この割合を「法定雇用率」と呼びます。

厚生労働省の発表に基づき、法定雇用率は段階的に引き上げられています。2024年4月には2.5%となりましたが、 2026年7月にはさらに「2.7%」へと引き上げられます。 これに伴い、雇用義務が発生する企業の対象規模も、現在の 従業員数40.0人以上 から、 2026年7月以降は従業員数37.5人以上へと拡大 します。これまで対象外だった多くの中小企業も、新たに制度の対象となるため早急な対応が必要です。

参考:厚生労働省|障害者雇用率制度について

算定対象となる、障害のある方の判断基準と各種手帳

企業が法定雇用率を算定する際、対象としてカウントできるのは、原則として「障害者手帳」を所持している方です。

具体的には以下の3種類の手帳のいずれかを持つ方が該当します。

  • 身体障害者手帳
    肢体不自由、視覚・聴覚障害、内部障害など
  • 療育手帳
    知的障害(自治体により「愛の手帳」「みどりの手帳」等と呼称)
  • 精神障害者保健福祉手帳
    統合失調症、うつ病、発達障害など

手帳を持たずに通院・服薬している方は、現行の制度上では法定雇用率の算定対象には含まれません。採用活動を行う際は、手帳の有無と等級を必ず確認する必要があります。

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一般雇用との違いと、企業側が押さえるべき「合理的配慮」

💡Point
・障害者雇用は、障害を開示して配慮を受けながら働く「オープン就労」が基本
・一般雇用と異なり、事業主には「合理的配慮」を提供する法的義務がある
・配慮の内容は企業が一方的に決めるのではなく、当事者との対話で決定する

障害を開示して働く「オープン就労」の仕組み

障害のある方の働き方には、自身の障害を企業に開示して働く「オープン就労(障害者枠)」と、開示せずに働く「クローズ就労(一般枠)」があります。障害者雇用は、前者の「オープン就労」を前提とした仕組みです。

オープン就労の場合、企業側は事前に本人の障害特性や得意・不得意な業務、必要な配慮事項を把握した上で採用を決定します。そのため、一般雇用(クローズ就労)と比較して、入社後の体調不良や業務のミスマッチが起きにくく、長期的な定着に繋がりやすいという特徴があります。

事業主に義務付けられた「合理的配慮」の提供とは

障害者雇用において最も重要な概念が「合理的配慮」です。2016年の法改正により、 すべての企業に対して合理的配慮の提供が完全義務化 されました。

合理的配慮とは、障害のある方が働く上で障壁となる事を取り除くため、企業が過重な負担にならない範囲で行う調整のことです。

例えば、「車椅子で移動しやすいようにデスクの配置を変える」「口頭ではなくチャットツールで業務指示を出す」「精神障害のある方は通院のために、勤務時間を柔軟に調整する」といった対応が挙げられます。

ポイントは、当事者との対話を重ね、お互いが納得できる落とし所を見つける実務プロセスにあります。

参考:内閣府|令和6年4月1日から合理的な配慮の提供が義務化されました!

法定雇用率未達成による納付金や企業名公表のリスク

💡Point
・雇用率が未達成の企業(100人超)には、不足1人につき月額5万円が徴収される
・ハローワークからの行政指導が入り、採用計画の提出と履行が求められる
・改善が見られない悪質なケースは「企業名公表」となり、社会的信用を失う

不足1人につき月5万円が徴収される「障害者雇用納付金」

常用労働者が100人を超える企業において法定雇用率が未達成の場合、「障害者雇用納付金」を納める義務が生じます。

金額は、不足している人数1人につき「月額5万円(年間60万円)」です。これは罰則ではなく、障害のある方を雇用するために施設改修等を行っている企業との経済的負担を調整するための制度ですが、未対応のままでいれば企業にとっては毎年の固定コストとして重くのしかかります。

参考:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)|障害者雇用納付金制度について

ハローワークの行政指導と、最終的な「企業名公表」のリスク

法定雇用率の未達成が続く企業に対しては、ハローワークから「障害者雇入れ計画」の作成命令という行政指導が入ります。

この計画書を提出し、その内容に沿って採用活動を進めなければなりませんが、計画の履行状況が著しく悪い場合や、行政の指導に従わない場合は、最終的に厚生労働省によって「企業名の公表」が行われます。

企業名が公表されれば、取引の停止や一般採用におけるブランドイメージの失墜など、納付金以上の甚大なレピュテーションリスクを被ることになります。

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障害者雇用に取り組む企業側の3つのメリット

💡Point
・定型業務を切り出すことで、既存社員の残業削減と生産性向上が実現する
・雇用率達成による「調整金」や、環境整備のための「助成金」が活用できる
・多様な人材が活躍する組織として、ESG・SDGsの観点から企業価値が向上する

業務の棚卸しによる組織全体の生産性向上

障害者雇用の第一歩は、社内の業務を棚卸しし、障害のある方に任せられる定型業務(データ入力、書類の電子化、備品管理など)を「切り出す」ことです。

このプロセスを通じて、これまで営業や専門スタッフが片手間で抱えていたノンコア業務が整理されます。

結果として、 既存社員は売上に直結するコア業務に集中できるようになり、部署全体の残業時間の削減や生産性の向上 という、組織にとって大きな副次的メリットが生まれます。

調整金・報奨金や各種助成金によるコスト支援

法定雇用率を達成し、さらに基準を超えて障害のある方を雇用している企業には、国から金銭的なリターンがあります。

  • 障害者雇用調整金:
    100人超の企業が基準を超えて雇用した場合、超過1人につき月額2万9千円が支給
  • 報奨金:
    100人以下の企業でも、一定基準を超えれば超過1人につき月額2万1千円が支給

また、職場での介助人や手話通訳者の費用負担を一部助成する「障害者介助等助成金」や手すりの設置や専門機器の導入など、環境整備にかかる費用の一部を負担してくれる「障害者作業施設設置等助成金」など、様々な助成金制度が用意されており、初期の導入コストを大幅に抑えることが可能です。

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ダイバーシティ推進による企業価値とブランディングの向上

多様な人材を受け入れ、それぞれが活躍できる環境(ダイバーシティ&インクルージョン)を構築している企業は、社会的な評価が高まります。

近年、取引先を選ぶ基準としてESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGsへの取り組みを重視する企業が増加しています。障害者雇用に前向きに取り組む姿勢は、コンプライアンス意識の高さを示すだけでなく、企業価値の向上や、新たな人材を採用する際のブランディング強化に直結します。

障害者雇用を成功させる、エージェント活用術

💡Point
・「業務切り出し➔採用➔定着」のサイクルを社内リソースだけで回すのは困難
・罰則回避のための急な採用は、現場の混乱や早期離職を招く
・エージェントなどの伴走支援を活用し、確実な体制構築とミスマッチのない採用を行うべき

計画策定から業務切り出し、採用・定着までの流れ

障害者雇用の実務は、「求人を出して終わり」ではありません。

「1. 自社の業務の棚卸し・切り出し」➔「2. 障害特性とスキルのマッチング(採用)」➔「3. 入社後の現場配慮と定着フォロー」という一連のサイクルを構築する必要があります。

ここで「納付金を払いたくないから」と焦って採用を急ぎ、現場の受け入れ体制を作らないまま入社へ至ると、双方にとって不幸な経験となってしまいます。

担当者

以前ご支援したIT業界のA社は、障害者雇用に前向きな姿勢を持ちながらも、初めての障害者雇用を推進する中で「IT系の知見がある方なら現場にフィットするはず」と考え、精神障害のある方の採用を進めました。しかし、ご本人の障害への自己理解がまだ十分でなく、できる業務・できない業務の整理が難しい状態でした。

現場も受け入れ方がわからず、結果として「何をお願いすればいいかわからない」という空気が広がることに。入社からわずか2ヶ月で早期離職に至ったことで、社内に「障害者雇用は難しい」という印象を残してしまいます。

この経験からA社は、「スキルや経歴のマッチング」よりも先に、 「自社の業務の棚卸しと、ご本人の特性理解」が不可欠 であることを痛感されました。

このようなミスマッチによる早期離職は、採用コストと現場の教育コストを無駄にする最も避けるべきリスクです。

実務負担を軽減し定着率を高める「かべなし」の伴走支援

障害者雇用の体制構築から定着までを包括的に支援するサービス「かべなし」は、単なる人材紹介ではなく、以下の3ステップで企業様の実務をワンストップで支援します。

※図解指示:「かべなし」の伴走型支援3ステップ (図解イメージ:左から右へのフロー図。「STEP1. 体制構築」「STEP2. 採用マッチング」「STEP3. 定着支援」の3つのオレンジ色カード。各カードの上にビジネスアイコン(歯車、握手、会話など)を配置したシンプルな構成)  +----------+ ➔ +----------+ ➔ +----------+ | [歯車アイコン] | | [握手アイコン] | | [会話アイコン] | | STEP 1 | | STEP 2 | | STEP 3 | | 体制構築支援 | | 採用マッチング | | 定着マネジメント | | 現場の業務を | | スキルを重視した | | 定期的な面談で | | 切り出し・可視化 | | 適切な人材紹介 | | 早期離職を防止 | +----------+ +----------+ +----------+ 

  • 体制構築支援:
    貴社の現場に入り込み、ノンコア業務の洗い出しとマニュアル化を代行します。「任せる仕事がない」という最初の課題の解消に尽力します。
  • 採用マッチング:
    切り出した業務を遂行できる「スキル」や「適性」を第一に考えたマッチングを行い、現場の即戦力となる人材をご紹介します。
  • 定着支援:
    入社後も専門スタッフが定期的に介入し、本人と現場の間に立ってコミュニケーションのすれ違いを解消します。

障害者雇用は、決して「法律への義務対応」というコストではありません。正しい手順で進めれば、組織の生産性を上げる投資となります。

先のA社は、当社の支援のもと、次の採用に向けた体制を丁寧に整えることにしました。現場ヒアリングによる業務の切り出し、ご本人の特性に合わせた業務設計、受け入れ部署への障害理解研修 という3ステップを順を追って踏んだのです。その結果、入社された方は安定して業務に取り組み、職場の残業時間削減にも貢献。社内の空気は「次はうちの部署でも受け入れたい」という前向きなものへと変わっていきました。

「うちの会社で何ができるかわからない」「現場に負担をかけたくない」とお悩みの人事担当者様は、ぜひ一度「かべなし」にご相談ください。貴社にぴったりのプランをご提案いたします。

【無料セミナー】「採用のための採用」にならない自社雇用の進め方

障害者雇用に関するQ&A

Q. 障害のある方を雇用する際、給与の設定は一般社員と異なるのでしょうか?

A. 基本的には、同じ業務内容・労働時間であれば、一般社員と同等(最低賃金以上)の給与水準を設定する必要があります。ただし、切り出した業務の内容や責任の範囲が異なる場合は、その職務に見合った適切な給与テーブルを新たに設定することが一般的です。

Q. オフィスがバリアフリー化されておらず、車椅子の方の受け入れが物理的に不可能です。

A. 障害者雇用=車椅子の方の採用、ではありません。完全なテレワーク(在宅勤務)での雇用や、オフィス環境の改修が不要な精神障害・知的障害の方の採用など、自社の環境に合わせた採用ターゲットを設定することが可能です。

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※掲載内容はすべて記事公開時点のものです。
かべなしメディア編集部
この記事の監修者
かべなしメディア編集部 株式会社エス・エム・エス

就労移行支援事業所の管理者経験者監修のもと、正しい法令知識と採用・定着などの実務に役立つ情報を発信中です。企業と障害のある方をつなぐ立ち位置で、双方がWin-Winとなる情報提供を心がけています。